記事数水増し企画 過去に書いたSSを載せちゃおうコーナー ドラクエとは全く関係なく、魔法少女リリカルなのはStrikerSより、ヴィヴィオのお話です。 発行日が2010年6月と書かれてたので、たぶんなのはオンリーで頒布したやつです。




 #放課後デート

「ばいばいヴィヴィオー」
「うん、またらいしゅー!」
 金曜日の放課後。
 いつもの場所でリオとコロナと別れて、わたしはひとり自宅への道を歩く。
「今日のごはんはなんだろなー、っと」
 と――
「あれ?」
 おうちの門に差しかかったところで、目の前――つまり玄関のほうから男の人が歩いてくるのが見えた。
「・・・・・・不審者さん?」
 一瞬そんなことを考えて身構えたけれど、よく見てみると――
「エリオさん?」
「え? あ、ヴィヴィオ」
 歩いてきたその赤髪の男の人は、わたしに気づいて手を振り――
「ひさしぶりだね。元気だった?」
 ――そう言ってにっこりと微笑んでくれた。
「はい、元気です!」
 なので、わたしも元気よく返事をして、門をくぐってエリオさんのもとへ駆け寄る。
「エリオさんはお仕事ですか?」
「うん、出張でね。でも急に決まったから誰にも連絡できなくて」
「あー、大変ですねー」
「ありがと。で、時間が空いたからダメ元でヴィヴィオの家に行ってみたんだけど、留守だったから引き返してきたとこなんだ」
「ありゃ、なのはママいないんですか?」
 フェイトママがお仕事なのは聞いていたけど、なのはママは今日オフだったはず。急なお仕事とか入ったのかな?
「連絡してみました?」
「うん。フェイトさんには繋がったけど、仕事中だったからこっちにいることだけ伝えてすぐ切った。で、なのはさんは、何回かコールしたけど繋がらなくてね」
「んー、変ですねぇ。・・・・・・ありゃ、ほんとだ」
 なのはママの端末にかけてみたけど、すぐに留守電に転送された。
「クリス、レイジングハートに直接通信」
 デバイス間の直接通信を試してみるけど――
「ありゃ、こっちもだめだ。しょーがない、えっと、・・・・・・なのはママ、ヴィヴィオです。いまエリオさんに会いました。このメッセージに気づいたら連絡くださーい」
 と、留守電にメッセージを入れて――
「エリオさん、お時間どれくらいあるんですか?」
「今日の仕事はもう終わったから、特に制限はないよ」
「明日は?」
「明日はオフ」
「・・・・・・変な出張ですね」
「あはは・・・・・・、まあ今日は準備で、明後日からが本番みたいな感じだから」
「そーですかー。今から明日いっぱいまでお休み・・・・・・」
「だから、なのはさんが帰ってきたら連絡くれれば・・・・・・」
「エリオさん、うちに泊まっていってください!」
「え?」
「そのほうがママたちも喜びます! ついでにわたしも喜びます!」
 我ながら名案。
「・・・・・・あ、なのはママと連絡がついて、お許しが出たらですけど」
 ちょっとだけ我に返ってそう補足。
「でも、ホテル取っちゃってるから・・・・・・」
「・・・・・・だめですか?」
「う・・・・・・、ヴィヴィオ、涙目で見上げるのはずるい」
「知ってます♪」
 エリオさんがこういうのに弱いって知ってて、あえて潤んだ眼で見上げる小悪魔なわたし。
「ったく、しょうがないなぁ。じゃあ、お言葉に甘えるか」
「やったぁ! じゃあ、なのはママが帰ってくるまでわたしの部屋で遊びましょー!」
 と、エリオさんの手を引いて、家の中に――
 家の中に――
「・・・・・・…」
「ヴィヴィオ?」
 ・・・・・・やっちゃった。
「ヴィヴィオ、まさか・・・・・・」
「はい、おうちの鍵はたぶんわたしの部屋の中です・・・・・・」

    ◇

「ヴィヴィオです。おうちの鍵忘れたので入れません。なのはママはお仕事ですか? 終わったら連絡ください」
 なのはママへのメッセージを再度吹き込んで、エリオさんを見上げる。
「どうしましょう・・・・・・」
「んー、じゃあ、なのはさんから連絡来るまで、どこかでお茶でもどう? ごちそうするよ」
「ほんとですか! じゃあ、いきましょう!」
 と、わたしは再びエリオさんと手をつないで歩き出す。
「えへへー、エリオさんにナンパされちゃった」
「・・・・・・なのはさんたちにそういうこと言わないでね。おしおきされかねないから」
「はーい」
 そして二人で街中へ――
「ここのダージリンティーがおいしいんですよー」
「へえ、じゃあここにしようか」
「はい!」
 おすすめの喫茶店に案内し、エリオさんと窓側の席に座る。
「ヴィヴィオおすすめのダージリンティーと、あとどうしよっか、ケーキとか食べる?」
「いいんですか!」
「うん、もちろん」
「えっと、えっと、これ! いちごのショートケーキ!」
「じゃあダージリンとショートケーキのセットを2つで」
 とエリオさんがウェイトレスさんに注文し、ふう、と一息。
「いい雰囲気のお店だね」
「はい! 時々ママたちに連れてきてもらうんです。ヴィヴィオのお気に入りのお店です!」
 などとお話していると、紅茶とケーキのセットが運ばれてきた。
「いちご、いっちごー」
 ケーキの上に乗ったおっきないちごに心ときめかせながらフォークを握る。
「いちご、好きなの?」
「はい、大好きです」
「じゃあ、僕のもあげるね」
「え?」
 と、エリオさんが自分のケーキのいちごを、わたしのケーキに乗せてくれた。
「い、いちごのダブル・・・・・・」
 感動に打ち震えながら、ケーキをひとくち、またひとくちと口へ運ぶ。
「おいしー!」
 いちごが二倍。幸せも二倍。
「ありがとうございます! エリオさん優しい!」
 うっかり恋をしてしまいそうになるほどに。
「いや、まあ、それぐらいは普通・・・・・・に・・・・・・」
「エリオさん」
 突然言葉を失い、硬直したエリオさん。
 その視線は、外へと向いていた。
「外になにか・・・・・・」
 と視線を移したところでわたしも絶句。
 そこには、フェイトママが張り付いていたのでした。


 #しあわせ倍増計画

「仕事が早く終わってね、せっかくだからヴィヴィオお気に入りのケーキを買って帰ろうかと思ったら、二人が楽しそうにデートしてるんだもの・・・・・・」
「だからって、窓に張り付くのは不審すぎるからやめたほうがいいと思いますよフェイトさん・・・・・・」
 お店に入ってきたフェイトママが、切なそうな瞳でわたしたちを見る。
「で、フェイトママが嫉妬してるのはわたしに? それともエリオさんに?」
「え? それは・・・・・・、その・・・・・・」
「ヴィヴィオ、フェイトさんをいじめちゃかわいそうだよ」
 そう言うエリオさんも笑いをこらえているようで。
「はう・・・・・・、わたし、ふたりの保護者なのに・・・・・・」
「よしよし、いーこいーこ」
 落ち込むフェイトママの頭をなでなで。
「あ、フェイトさんもなにか注文します?」
「・・・・・・エリオのおごり?」
「う・・・・・・しまった。・・・・・・しょうがないなぁ。いいですよ、僕がおごります」
「やった♪ じゃあ、ダージリンとショートケーキのセットで」
「はい、・・・・・・すいませーん!」
 エリオさんがウェイトレスさんを呼び、フェイトママの分を追加注文。
 そしてしばらくすると、わたしたちが頼んだのと同じケーキセットがフェイトママの元へと運ばれてきた。
「はいヴィヴィオ、あーん」
「え?」
 不意に目の前に差し出されたいちご。
「ぱく」
 びっくりしながらも、言われるままに口を開いて、そのいちごを頬張る。
「おいしいー」
 まさかの三個目。
 幸せ三倍。いや、二の三乗で八倍。
 このあいだ学校で習った乗数を使ってみた。えへん。
「それで、なんで二人はここでお茶してたの?」
「うんと、実は鍵を家に忘れてきちゃって。それで、フェイトママはお仕事中だと思ったからなのはママにメッセージ入れて、なのはママから連絡あるまでエリオさんとデートしてたというわけで」
「ふーん、デートねぇ」
「デ、デートと行ってもここでお茶飲んでただけで・・・・・・」
「ふふ、そんなに慌てなくてもいいよ、エリオ」
「エリオさんの負け~。・・・・・・あれ?」
 と笑っているとクリスに着信。
「あ、なのはママだ、もしもーし」
 と、なのはママに場所を伝え――フェイトママが鍵持ってるから家に帰ってもよかったんだけど、せっかくだから四人でお茶しようということで――わたしたちはしばし三人で談笑。
 話題は専らエリオさんの近況で。
 というか、キャロさんとの仲をフェイトさんが根掘り葉掘り聞くという状況で。
 そのすさまじさは、ちょっとエリオさんがかわいそうになってしまうくらい。
 と――
「エリオ、ひさしぶりー!」
 三十分ほど経ったところでなのはママ登場。
「ごめんねヴィヴィオ、急に教導の要請があって。戦闘訓練中だったからずっと留守電にしてたんだ。あ、でも、ヴィヴィオにそのこと連絡し忘れたのはわたしのミスだから、お詫びにケーキご馳走するね」
「ほんと?」
「うん。すいませーん、ダージリンとショートケーキのセット。あとショートケーキを単品でもうひとつ」
 そして、こんなに幸せなことがあっていいのか、わたしの元にはさらにショートケーキが。
「はい、ヴィヴィオ、いちごダブルにしてあげるね」
「おおおぉぉぉぉ!」
 そしてまさかまさかの、なのはママからのいちごプレゼント。
 これで通算五個目。
 二の五乗は――
 えーと、五十くらい?
 とにかく、それぐらい幸せってことで。

    ◇

「じゃあ、そろそろ帰ろうか」
「そうだね」
 なのはママの一言にフェイトママが頷き、そしてわたしとエリオさんも立ち上がる。
「あ、そうそうなのは、ここはエリオがごちそうしてくれるって」
「え? そうなの? ・・・・・・あ、でもヴィヴィオへのお詫びはわたしが出さなくちゃ意味がないから、わたしの分だけよろしくね」
「ああ、はい、もうまかせてください・・・・・・」
 心なしかうなだれた様子で、エリオさんはなのはママからわたしのケーキ代だけ受け取って、レジへと歩いていった。

 そして――

「そうなの? そういうことならもちろんおっけーだよ」
「うん、エリオなら大歓迎」
 帰り道。
 わたしからの提案、エリオさんお泊り計画は至極あっさりとママたちに承認され――
「やったー! じゃあエリオさん、明日も一緒に遊びましょー!」
 お兄ちゃんに甘える妹のようにエリオさんの腕に抱きつきながら、無邪気にはしゃぐ。

 明日は、幸せ何乗になるのかな?



 **************************

 あとがき

 特にヴィヴィオがいちご好きという公式設定は無いと思いますが、まあ子供だし、ということで。



nuko_futuu・・・SSの記事にわしら必要か?
neko_futuuいらないとおもう
nuko_iineよし、撤収!


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